ルワンダ最新レポートを聞いてきました!

*English will be next post.

先週、とても面白いセミナーに参加してきました。

ルワンダ最新ビジネス情報セミナー 〜奇跡の発展とビジネスチャンス〜

主催はフランス語コンサルタント清水慎悟さんと海外展開コンサルタントの中高英明さん。ルワンダのこれまでの歩みと今後の発展についてのお話です。

皆さんはアフリカと聞くと、紛争とか難民問題とか、そのようなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。自身もやはりそのイメージが強かったです。

特にルワンダでは1994年、今から26年前に大虐殺、ジェノサイドが起こり、国連でも問題になりました。それについては別の回で解説したいと思います。

その悲惨な状況は本当に目を覆いたくなるものでした。そこから26年経った今、ルワンダは飛躍的な成長を遂げています。大学生の時に平和構築の授業で見た「ルワンダの涙」は今でも鮮明に覚えています。

お二人は今年の2月、ルワンダの首都キガリに渡り、1週間の滞在スケジュールの中で、現地取材を行われ、今回はそのレポートを伺うことができました。まさに最新情報!✨

ルワンダについての概要はこんな感じです。

[首都] キガリ
[国土]
1230万mヘクタール
[人口] 2637万にん
[公用言語] 英語・フランス語・ルワンダ語
[通貨] ルワンダ・フラン(ドルから変換。1RF=0.11円)ちなみに、今回のお二人の滞在費用は1週間で約200米ドル。
[宗教] キリスト教系が多い。約9割。(カトリックが約60%ぐらい by 独自調べ)[元首] ポール・カガメ大統領
[治安] 町はクリーンで安全。夜23時とか遅くに歩いても問題ないぐらい。ゴミもない。
[通信] ネットワークは良好。wifi、4g◎。通信状態はカタールより良いそう。
[主な貿易国]
輸入:中国19.4%、ヨーロッパ、アメリカ
輸出:UAE28.34%、周辺国
[主な輸出品目]
コーヒーがメイン。その他、茶・鉱物
[電力] 現在はかりょく発電中心、首都で停電はない。今後は太陽光発電にも注力。
[医療] 渡航前の予防接種は必要ない。マラリアはやはり存在するが、現在特効薬あり。
[交通] 移動はタクシー。特にバイクタクシーが主流。

 

ここでびっくりしたポイントは5つ。

1.まず通信が良好だということ!非常に安定しているそうです。面白かったのは、カタール空港ではつながらなかったけど、ルワンダ空港ではパスなしで簡単に接続できるそう。

2.次に町がクリーンで清潔だということ。町の写真を拝見したのですが、首都の道路は舗装されていて、きれい!しかもお洒落なカフェとか、ケンタッキー・フライド・チキンも新しくできたそうです。全然イメージと違う。
ゴミ箱も各ポイントにちゃんと設置されてるそうです。

3.そして治安が良いということ。夜23時とか遅くに歩いてるひとも結構いるそうです。安全!

4.さらに驚いたことは、渡航前の予防接種が必要ないことです。マラリアに関しても今は良く効く薬があります。

5.そして今回、一番特筆したいことは、ルワンダの成長がものすごい!!!ということです。
印象的だったのは国の成長政策。

まず、経済政策についてですが、メインはICTビジネスの推進。
ここでICTについてちょっと補足すると、ICTとはInformation and Communication technology の略。これまでのITに加えて、新たにCommunicationが追加され、現在の主流になっています。今までは情報技術だけだったところに、伝達手段・方法を加えた感じ。

活用させている1つはビジネス面。国外からICTビジネス・会社・投資家を誘致。もう一つは行政面です。スマホ1つで行政サービス・手続きが完了できる。
ビックリしたのは5分で企業ができちゃう。開発庁のHPから誰でもオンラインで会社を登録できるそうです。

例えば、Ziplineという北米のドローン開発企業はドローン飛行をテストしているのですが、これまで数時間かかっていた輸血輸送がドローンでは10分でできるらしい!

それからKlabというスタートアップ支援施設では、誰でも無料でスペースが使えるそう。3Ⅾプリンターが置いてあったり、ここでもドローンが試作されていたそうです。ここは日本のJICAも設立支援に参加していて、今でも支援は継続中だそう。

AI、オフショア開発やスタートアップ支援にも力を入れている。キガリ経済特区という場所もあり、現在はフェーズ2で残り4区画ぐらい。今後も増設されていく予想。

さらにすごいのは教育面でもICTを育成しているということ。
カーネギーメロン大学を誘致したり、日本の神戸市と提携して学生起業プログラムを行っている。

ここまででもう驚きの連続だ。さらに聞くと、国内での製造業、都市のハブ化、鉄道開発までも推進中らしい。素晴らしい。

詳細については以下。

・国内製造業→maraphoneというスマートフォンで国内シェア9割。使いやすいそうです。バイクタクシーを排出ガス削減のために推進されているそうなのですが、そのバイクも製造。

・都市のハブ化→ルワンダは国土が小さく、大きな周辺国(コンゴ、ウガンダ、タンザニア、ブルンジ)に囲まれている。そのため、シンガポールのようなハブ都市を目指している。

・鉄道開発→ルワンダは海に面していないので船での貨物輸送ができない。そのため、現在既存の鉄道ルートに追加する形で、あらたな貨物輸送ルートを計画中!ちなみに現在の路線はウガンダ・タンザニア・ケニアを経由しています。

 

そしてこれらの政策を推進しているのがポール・カガメさんという大統領。2000年から大統領に就任してから、現在まで約20年間。別の名を「ルワンダのCEO」とご自身で紹介しているように、経済成長の推進力はすごいと思います。フランスや中国とも友好関係を築かれている。

さらに重要なのは、汚職撲滅運動に尽力されていること。
アフリカ諸国では汚職が非常に多く、問題となっていますが、それを厳しく取り締まっています。だから国外からも起業したいひとがいっぱい集まるんですね。

それからウムガンダの日と呼ばれる「国民奉仕の日」には1日、全国民が何かしら奉仕活動に従事しなければならないそうなのですが、大統領自ら、率先して道路掃除をされるらしい。素晴らしい姿勢。

長期政権で、反対派には強固な姿勢のため、独裁とも言われますが、とにもかくにも支持率は常に9割以上だそう。
うーん、確かに一般的に見たら独裁政治ですよね。今の日本見たら、そういわざるを得ない…。
それでも支持率が9割以上というのは、多分、本当に国民の目線に立って物事を考えおられるからではないでしょうか。いかに平和を保ちながら、国民の暮らしと安全を支えていくか。成長を促せるか。さらに言えば、他のアフリカ諸国ともどう成長できるか。他の周辺諸国もルワンダにあこがれるそうです。

現在、都市と郊外では格差はありますが、社会課題解決に向けて努められているそうです。例えばシングルマをサポートする就職斡旋サイトを作ったり。サービスプラットフォーム製作を進めており、ここでもICTが活用されています。

その他、環境問題解決への取り組みとして、レジ袋の使用禁止、太陽光発電、自動車ではなくバイクを推進なども実施されているそう。今後の課題としては、ごみの分別はできているものの、ごみ処理施設があまり整っていないよう(焼却施設はなく、特定の場所に集める)なので、良いリサイクル技術を求められているそうです。日本のリサイクル技術とか需要ありそうとのこと。ちなみに日本に関しては日本からの自動車の輸入が多く、8割トヨタだそうです。
現地ではまだガソリンが高いので、燃費が良くなる部品があると良いそう。
その他、オフィス用品も値段が高いそうなので、安価で良質な日本製品は色々需要がありそうです。

主催者の清水さんは10年前ぐらいに訪れたそうなのですが、今の発展状況に驚かれていました。

まだ、経済格差や福祉など抱える問題は沢山ありますが、一気に解決はできないものです。あれほどのひどい状況だったにもかかわらず、ここまで発展してきたのは、確かに各国からの支援もありますが、このルワンダの国民の皆さんの平和を保ちたい、良い国にしたい、そういう熱意と努力があるからだと思います。

もう一つ感銘を受けたことがあります。それはルワンダの紙幣です。

一般的に、どの国でも紙幣には各国の歴史上の人物や偉人が描かれると思いますが、ここで描かれているのは子供たちがパソコンで勉強している姿です。
ここからも大統領や国民の皆さんの意志が表れているように思います。

今ルワンダもコロナが流行しているそうですが、簡易手洗い所(中国から機材提供受け)が都市の各ポイントに設置されているそうです。
どこも大変ではありますが、国際的な協力がなければ、このような状況は改善できません。このコロナだけでなく、すべての問題において、世界のひとびとの協力が常にあれば、きっと解決に時間はかからないと思います。

 

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